英アルゴグループ日本法人が6月20日,ブラウザフォン向けのコンテンツ自動変換サーバー製品「UbiquinoX AnyMobile2.1AS」を6月29日から出荷すると発表した。同サーバーは,iモード向けコンテンツをEZwebおよびJ-スカイ向けコンテンツにリアルタイムで自動変換する。コンテンツ・プロバイダやデータ・センター事業者などに,初年度100台程度の販売を目指す。価格は468万円である。

 AnyMobile2.1ASは,プロキシ・サーバーとして動作し,コンテンツ・サーバーと外部接続用ルーターの間に設置する。つまり,iモード向けのコンテンツを作成しておくだけで,EZwebやJ-スカイにも提供できる。

 従来のソフトウエア製品「UbiquinoX AnyMobile1.2」との最大の違いは,専用サーバー・マシンにインストールして提供するアプライアンス型製品であること。このため,「導入前のヒアリング,動作検証,メンテナンスなどの手間を大きく削減できる」(松浦修マーケティング・ディレクター)。さらに,セキュリティ面の強化も図れる。

 新製品の導入に合わせ,専用Webサイト「DEVZone」を開設した。DEVZoneには各ブラウザフォン対応携帯電話機の仕様情報などがデータベース化してあり,AnyMobile2.1AS内のデータベースと連携できる。ブラウザフォン端末の新製品が登場した際には,その端末に適した画面サイズや画像ファイル・フォーマットなどに合わせてコンテンツを自動変換できる。

 DEVZoneには,海外で発売中のブラウザフォン対応端末の情報も含むため,コンテンツ・プロバイダは海外への情報発信も容易になる。「海外のWAP(wireless application protocol)対応機には,WAPの実装レベルにばらつきがある。このため,端末の機種に応じてコンテンツを変換してやる必要がある」(マーク・A・ハフマン社長)。

 このほかAnyMobile2.1ASでは,独自アルゴリズムの導入によるコンテンツ変換処理の高速化や,プログラミング構造の改良による拡張性の強化などを実現したという。「ブラウザフォン分野では,技術革新のスピードが早いため,拡張性は大切だ」(松浦ディレクター)。

 アルゴグループは,「今後,携帯電話事業者ごとのコンテンツ記述言語の違いは,XHTML(extensible hypertext markup language) Basicを中心にして徐々に収束に向かうだろう。しかし,端末ごとの表示特性はいっそう多様化していく」(松浦ディレクター)と見る。ブラウザフォン向けのコンテンツ変換サーバー市場には大きな需要があると読んでいる。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)