NTTドコモは6月13日,iモード対応携帯電話に対する新たな悪質メールが出現したことを明らかにし,今後の対策について公表した。

 iモードについては,2000年夏ころにも,「PHONE TO」というiモード向けのHTMLタグを悪用してユーザーが意図しないにもかかわらず110番や119番などへ電話をかけさせる悪質なメールが問題になった。このためNTTドコモは,2000年12月以降に発売したiモード機からは,実際に電話をかけるかどうかをユーザに確認する手順を追加していた。

 今回登場した新たな悪質メールは,別の“特定タグ”を使用することで,この番号確認手順を省略してしまうもの。そこでNTTドコモは,2001年7月以降に発売する新しいiモード対応電話機から,この新たな悪質メールを引き起こす“特定タグ”が指定されても,発信する電話番号をユーザーに確認させる手順が入るように設定する。

 現行のiモード対応機を所有するユーザーに対しては,(1)見知らぬ発信元のメールを開封しない,(2)意図せずに自動発呼された場合は通話終了ボタンを押し通信を中止する,(3)意図せずに自動的にメールが転送された場合はクリア・ボタンなどを押して通信を中止する--などの自衛策を,ホームページや請求書の同封物で周知する。さらに,このような悪質メールの送信者を調査し,場合によっては法的な手段を検討することを明らかにした。

 なお,新たな悪質メールを引き起こす“特定タグ”についてNTTドコモは,「模倣犯を招く危険性があるため具体的な手法は公表しない」(広報部)としている。