DSL(digital subscriber line)技術の開発と普及促進を目指す国際業界団体DSL Forumが6月5日,SUPERCOMM 2001の会場で,「G.shdsl」(single-pair high-speed DSL)と「G.dmt」(別称:standard full-rate ADSL)に準拠したDSL機器の大規模な相互接続テストを公開した(写真)。テストには39社が参加した。

 また,DSL Forumは,二つの技術を使ってDSLサービスの利用エリアと市場を拡大するガイドライン「DSL Anywhere」も発表した。DSL Forumには現在,330社以上が参加する。

 相互接続テストには,米ADC,米ADTRAN,仏アルカテル,スウェーデンのエリクソン,フィンランドのノキアなど9社がG.shdslとG.dmtの両方に準拠したDSLAM(DSL access multiplexer)を用意。これらに,G.shdslやG.dmtに準拠した20社以上のDSLモデムやルーター,チップセットなどを接続した。

 G.shdslの正式名称は「G.991.2」。2001年2月にITU(国際電気通信連合)が策定した最新のSDSL(Symmetric DSL)規格である。データ伝送速度は192k~2.3Mビット/秒で,これまでの規格より伝送距離を延ばせるのが特徴。DSL Forumは,「特に(国土の広い)北米でDSLサービスを提供する通信事業者がメリットがあるはず」と見る。また,G.dmtの正式名称は「G.992.1」。下りの最大データ伝送速度は6Mビット/秒である。

 また,前日の4日にはADC,米アナログ・デバイセズ,米Aware,米センチリウム・コミュニケーションズ,独シーメンス,米テキサス・インスツルメンツなど12社が,DSL上で64kビット/秒の通話チャネルを最大8回線確保できるVoice over DSL技術「CVoDSL」(channelized voice over DSL」の支持を発表。12社は,DSL ForumにCVoDSL仕様の推奨を,ITUに標準化を働きかけていく。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション,アトランタ発)