名古屋めたりっく通信は,同社のADSL(asymmetric digital subscriber line)インターネットのユーザー向けにIP電話サービスを7月中にも開始することを明らかにした。

 名古屋めたりっく通信のIP電話サービスは,ユーザー宅に専用のIP電話機を設置し,ADSL回線と接続する構成。この電話機が音声トラフィックをIP化し,名古屋めたりっく通信のIP網を介してユーザー間の通話を実現する。専用電話機は加入電話用のジャックも備え,通常の加入電話からの呼も着信できる。

 最大の特徴は通話料金。ADSLサービスのユーザー同士の通話は無料にする。外線発信する場合は有料だが,「実費程度の料金にする」(名古屋めたりっく通信の宮川潤一社長)方針。ただし,当面は音声通話専用のサービスとし,ファクシミリ通信などには利用できない。

 サービスを利用するユーザーは,基本的には専用電話機を購入する必要がある。電話機の価格は数万円程度になる見込み。もっとも名古屋めたりっくは,電話機を購入しないユーザーにも,パソコンに接続するタイプの電話端末を無料配布することを検討している。

 名古屋めたりっく通信はインターネット接続事業者(プロバイダ)のももたろうインターネットと7月31日に合併する計画である。ADSLサービスのユーザー数は5月末時点で約1万人。
(島津 忠承=日経コミュニケーション)