トレンドマイクロとアルプスシステムインテグレーション(ALSI)は5月30日,ネットスターのURL(uniform resource locator)フィルタリング技術を使ったフィルタリング・ソフトをそれぞれ発売すると公表した。業務に不必要なサイトや有害なサイトへのアクセスをサーバー側で制限する。ネットスターは,2001年4月にトレンドマイクロとALSIが共同出資して設立したソフト・ベンダー。URLフィルタリング技術を両社に供給し,トレンドマイクロが大企業/サービス・プロバイダ向けのフィルタリング・ソフト「InterScan WebManager」を,ALSIが学校向けの「InterSafe 3.0」を発売する。

 ネットスターのURLフィルタリング技術は,あらかじめ用意したリストに該当するURLへのアクセスを禁止する方式のもの。プロキシ・サーバーとしての機能を持ち,それを介してクライアントからのインターネット接続要求に含まれるURLを監視する。禁止URLに合致するURLを要求した場合は,アクセスを拒否するなどの処置を取る。現在,アクセスを禁止するURLのデータベースは15万点に上るという。URLは「アダルト」,「ゲーム」,「ショッピング」などの20のカテゴリに分類されており,管理者はそれらを選択してサイトの閲覧を制御できる。また,管理者が個別にURLを登録することも可能。部署やIPアドレスによってグループ化したユーザーや,時間帯に従ってURLの閲覧を制御することもできる。

 トレンドマイクロが発売するWebManagerは,主に大企業やサービス・プロバイダ向けのURLフィルタリング・ソフト。LinuxとSolarisに対応する。同製品は米トレンドマイクロが米国で1999年に発売していたが,日本語のURLフィルタリング機能が貧弱であったため,これまで発売を見送っていた。今回,ネットスターが日本語に対応した精度の高いフィルタリング技術の開発に成功したことで,発売に踏み切ったという。価格は1000ユーザーで年間170万円程度のライセンス契約となる見込み。販売ターゲットはサービス・プロバイダと1000人以上の社員を抱える大手企業2500社。サービス・プロバイダ向けの製品は6月末に,大企業向けの製品は8月末に発売する。

 ALSIが発売するInterSafeは,学校向けのURLフィルタリング・ソフト。指定したURLを閲覧禁止にするだけではなく,指定したURLだけを閲覧可能にするモードも用意した。教師が指定したURL以外のサイトにはアクセスさせないようにできるなど,学校という環境に合ったサービスを提供する。価格は25ユーザーのライセンスで年間11万8000円を予定。Windows 2000対応の製品を8月中旬,LinuxとSolarisに対応する製品を9月上旬に発売する。

 またALSIはInterSafeを単体販売するほか,ALSIのソフト群をあらかじめインストールしたサーバー「e-NetSTAR」にもInterSafeを含めて発売する。同製品の機能を使う場合は,別途ライセンス料を支払うことが必要になる。e-NetSTARのスペックは,標準のものでCPUがCeleron 733MHz,メモリが256Mバイト,ハード・ディスクが40Gバイト。価格は38万8000円になるという。InterSafeと合わせて年間500セットの販売を目指す。
(閑歳 孝子=日経コミュニケーション)