NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は,インターネットを介した情報共有サービス「ShareStage」を6月11日に開始すると発表した。同サービスは,NTTコムがインターネット上に用意したディスク・スペースに,特定のソフトを追加することなくブラウザだけでファイルのアップロード/ダウンロードを可能にするもの。個人がファイル保存に使うほか,グループ内でファイルを共有したり,すべてのインターネット・ユーザーに対してファイルを公開するといった使い方ができる。

 サービス開始当初は,NTTコムが構築したWebサイトから個人ユーザーが利用できるサービスのほか,大学単位で契約した中央大学の学生・教職員向けのサービスを提供する。個人向けサービスは容量50Mバイトまでが無料で,以下50Mバイトごとに月額390円を徴収する。

 NTTコムはShareStage用のシステムを同社のデータ・センター内に構築した。かかった費用は,ソフト開発とハードウエアを合わせて約6億円。サービス開始当初は,インターネット接続部分に10Mビット/秒の帯域を確保し,5万~6万人程度のユーザーが同時アクセスできるようにした。保存可能なデータ量は約2テラ・バイト。回線やストレージの容量は利用量の増加に応じて,随時見直す。ユーザーはIDとパスワードで認証し,SSL(secure sockets layer)でデータを暗号化する。

 NTTコム経営企画部の沢田純ジェネラル・マネージャは「このサービスを家庭へのブロードバンド拡大の起爆剤にしたい」と語る。大容量のデータをインターネット上でやり取りするサービスを投入することで,家庭からインターネットを利用するアクセス回線の広帯域化(ブロードバンド化)ニーズの拡大を目指す。今後1~2年で立ち上がるブロードバンドの需要を喚起する一つのプラットフォームとして,期待をかけているわけだ。

 NTTコムは今後,同社のインターネット接続サービス「OCN」や他のポータル・サイトへの展開,中央大学以外の大学への提供などを狙う。サービスではファイルの保存のほか,よくアクセスするサイトのURL(uniform resource locator)をまとめた「ブックマーク」の共有や,会員登録ID・パスワードを使ってアクセスする「オート・ログイン」機能も提供する。