NECは5月21日,短距離無線通信インタフェース「Bluetooth」を内蔵したターミナル・アダプタ(TA)「AtermITX92BT」(写真左)を発表した。5月下旬から出荷を開始する。パソコン側に接続するBluetooth対応アダプタ「AtermBT01U」も同時に発売。Bluetooth対応のTA製品は国内では初めてとなる。

 AtermITX92BTは,Bluetoothの通信規格に「Bluetooth1.0b」を採用する。パソコンに接続するインタフェースとしては,ほかにUSB(universal serial bus)ポートを1個,シリアル・ポートを1個備える。一方,パソコン側に接続するAtermBT01Uは,USBポートを1個持ち,USBケーブル経由でパソコンからの給電が可能。AtermBT01Uには,デスクトップ・パソコン向けの「AtermBT01U for DESKTOP」と,携帯ケース付きでUSBケーブルが短い「同 for MOBILE」(写真右)の2種類がある。

 Bluetoothを経由した際のインターネット・アクセス速度は,最大64kビット/秒。ただし,複数のBluetoothクライアントがインターネットへ同時にアクセスすることはできない。Bluetooth通信を実行するパソコンには,Windows 98Second Edition以上のバージョンのOSが必要。

 AtermITX92BTに相互接続できるBluetoothクライアントは,AtermBT01Uのほかに,同日発表したNECのBluetooth内蔵パソコン「PC-LC800J74DH」,「LM800J/72DH」がある。また他社製品との相互接続性も今後確認し,専用のホームページ「AtermStation」(http://aterm.cplaza.ne.jp)で随時公開する。

 価格はオープンだが,実売価格は,AtermITX92BTが3万円程度,AtermBT01U for DESKTOP,AtermBT01U for MOBILEが2万円程度となる見込み。AtermITX92BTとAtermBT01U for DESKTOP,AtermITX92BTとAtermBT01U for Mobileをセットにした製品も,それぞれ4万円程度で出荷する。

 Bluetoothは,携帯電話やパソコン,PDA(携帯情報端末)などのモバイル端末を中心とした様々な機器同士を,ケーブルなしで接続できる無線インタフェース。最近ではKDDIが5月17日にBluetooth内蔵の携帯電話を発表するなど,Bluetooth内蔵製品の発売が相次いでいる。
(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)