総務省が新たに割り当てを始めるのは,26GHz帯の6ブロック。これらを追加するのは新規参入事業者の需要に応えるためである。特に関東地方は既存の周波数割り当ての18ブロック全部がすでに埋まっており,事業者が新規に参入できない状況が続いていた。
NTT地域会社は,FWAを用いたコンシューマ向けの無線インターネット接続サービスを提供するために周波数免許を申請する。ただし総務省は,受付開始から2カ月間はNTT地域会社以外の通信事業者の申請を優先するという条件を付ける。このため,NTT地域会社が免許を取得できるのは,2カ月後に空きブロックが存在する場合のみである。
NTT地域会社が申請を予定しているのは,P-MP(ポイント・ツー・マルチポイント)方式のFWAである。FWAをユーザー宅までのアクセス回線に使用し,敷設済みの光ファイバーと組み合わせてインターネット接続サービスを提供する計画。既にFWAに参入している通信事業者が主に提供している法人向けの専用線サービスにFWAを利用する計画はないという。
FWAは,準ミリ波/ミリ波帯(22GHz,26GHz,38GHz)の電波を利用した無線固定通信システム。98年12月に免許申請の受け付けを開始し,22GHz帯に4ブロック,38GHz帯と26GHz帯にそれぞれ7ブロックの計18ブロックをすでに通信事業者に割り当てている。従来は,地域通信の競争を促進する目的もあり,総務省はNTT地域会社に周波数の割り当てを認めていなかった。