無線ネットワーク機器ベンダーの米プロキシムは,5月8日から米国ラスベガスで開催するネットワークの総合展示会「NetWorld+Interop 2001 Las Vegas」(N+I)で,家庭内での利用を想定した無線通信規格の最新版「HomeRF 2.0」(home radio frequency 2.0)を採用した機器を初披露する。同規格は業界団体であるHRFWG(HomeRF working group)が5月2日に公開したばかりのもの。

 HomeRFは家庭内でパソコン,コードレス電話家電製品などを接続するために策定された通信規格。これまでの最大通信速度は2Mビット/秒だったが,最新版の2.0では10Mビット/秒まで引き上げられ,無線LANの標準規格であるIEEE802.11bとほぼ肩を並べることになる。

 HomeRF 2.0は5月9日から米国シアトルで開催される家庭内ネットワーク技術の展示会「CONNECTIONS 2001」でもHRFWGの主催でデモンストレーションする予定だが,プロキシムのN+Iでの展示はこれに先行する格好だ。

 プロキシムはN+Iの開催に合わせて,5.2GHz帯の電波を使って最大54Mビット/秒のデータ伝送を実現する無線LAN規格である「IEEE802.11a」への対応計画も新たに発表した。内容は,IEEE802.11bに対応する既存製品の一部をIEEE802.11a環境に対応させるというものだ。

 すでに既存のIEEE802.11b準拠製品を購入したユーザーがIEEE802.11a環境に移行する際には,年内にも登場する802.11a対応のアクセス・ポイントなどを新たに購入する必要がある。ただし,複数設置したアクセス・ポイントの設定やセキュリティを一元管理するコントロール・ユニットは流用できることを明らかにした。

(滝沢 泰盛=日経コミュニケーション,米ラスベガス発)