経済産業省の外郭団体である情報処理相互運用技術協会(INTAP)は4月3日,異なるベンダーのシステム運用管理ツール間での相互接続実験に成功したと発表した。INTAPによると「運用管理ツールの相互接続は世界で初めて」(若松茂三専務理事)。

 実験は,一方の運用管理ツールが検知した異常をもう一方のツールに通知し,これを受信したツールがあらかじめ定めた手順に従って対処するもの。NECの「WebSAM ESMPRO」,日立製作所の「JP1/BASE」,富士通の「SystemWalker/CentricMGR」の3製品で実験した。ツール間の接続には,運用管理製品間で管理情報を相互にやり取りするための仕様「MAXI」(management information exchange over internet)を利用。この仕様は,INTAP内に設立した「運用管理システム相互接続ワーキング・グループ」(OSMIC)が2000年10月に策定した。

 MAXIの特徴は,ベンダー各社が運用管理ツールに実装しやすいように,インターネット標準の技術で構成している点。例えば,運用管理ツールが解釈するシステム管理情報は,米国のシステム管理方式の標準化団体「DMTF」(Distributed Management Task Force)が定めたCIM/XML(common information model/extensible markup language)で記述する。ツール間の通信にはメール送受信用プロトコルのSMTP(simpe mail transfer protocol)を,インターネット上でのデータの暗号化には共通鍵暗号方式のDES(data enterption standard)を利用する。

 相互接続を確認できた3社は,6月ころまでに発売する次期バージョンに標準搭載していく。このほか,日本チボリシステムズや住友電工も自社製品にMAXIの実装を進めており,次回の実験に参加する意向である。