総務大臣の諮問機関である情報通信審議会は3月28日,電柱や管路などの開放の指針をまとめた答申「電気通信分野における公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドラインの在り方について」を公表した。このガイドラインは,4月1日から電力会社などに適用を開始する。

 ガイドラインでは,通信事業者が光ファイバ・ケーブルなどを敷設する際に利用する電柱,管路,とう道などの開放ルールを定めた。電柱などを保有する電気通信事業者,電力会社,鉄道会社に対して,貸し出し方法,貸し出し期間,貸し出しを拒否できるケースなどの具体例を記述している。

 電柱などを保有する企業は,インターネットのWebサイトで手続方法や使用料などを公開すべきとした。貸し出し期間は原則として5年間。通信事業者への貸し出しを拒否できるのは,貸し出しスペースがない場合,5年以内に設備をすべて利用する場合,5年以内に大幅改修の計画がある場合,5年以内にケーブルの地中化で電柱を撤去する場合--など。逆に言えば,こうした理由がなければ通信事業者に開放する必要がある。また,通信事業者から貸し出しの要望があった際は,原則として2カ月以内に貸し出し可能かどうかを回答すべきとした。

 総務省は,ガイドラインを整備することで電柱や管路の開放を進め,通信事業者のインフラ整備を後押しする。FTTH(fiber to the home)などの高速サービスの普及を推進するのが狙いである。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)