ユーユーネット・ジャパン(UUNET)とCRC総合研究所(CRC総研)は,国内最大規模のWebサイトである「Yahoo! Japan」専用のデータ・センターを東京・大手町に構築した。3月中に本格稼働を開始する。

 「Yahoo! Japan」は,ソフトバンクのグループ企業であるヤフーが運営するインターネットのポータル・サイト。1日に1億5700万ページ・ビューを誇る。現在同社のサイトを構成するサーバー群はUUNETの既存データ・センターを含む国内5カ所のデータ・センターに分散設置して運用している。今回新たに構築した専用データ・センターは,動画や音声などのストリーム・コンテンツ配信サービスを中心に活用する考えだ。5カ所のデータ・センターに置かれたサーバー群で運用する既存コンテンツのうち,一部を移管する計画もある。

 専用データ・センターの床面積は約800平方メートル。サーバーを積み上げるラックにして約350台分程度のスペースを確保した。インターネットに接続するバックボーンは,ギガビット・クラスまで拡張可能な専用回線をUUNETが提供する。「ADSL(asymmetric digital subscriber line)や,FTTH(fiber to the home)などのブロードバンド・サービスの普及で,ヤフーが提供するコンテンツも大容量化していく。安定運用を期すために専用のセンターが必要と判断した」(ヤフー広報部)。

 UUNETは今後も,コンテンツ・プロバイダ向けの専用データ・センターの構築支援を強化していく考え。こうなると人気コンテンツへのアクセス集中が,UUNETのバックボーン帯域を圧迫する可能性も出てくる。このため同社は,「目前に迫ったブロードバンド時代を乗り切るために,これまで以上にネットワーク増強に力を入れていく」(ユーユーネット・ジャパンの羽柴秀彦・ソリューションマーケティング部プロダクトマネージャ)としている。
(滝沢 泰盛=日経コミュニケーション)