世界の携帯電話大手であるフィンランドのノキア,米モトローラ,スウェーデンのエリクソン,独シーメンスの4社は3月21日(現地時間),次世代ブラウザフォン・サービスのコンテンツ記述言語として「XHTML」(extensible hypertext markup language)を推進すると発表した。今後,各社のXHTML対応ブラウザフォン端末/サービスの開発に拍車がかかりそうだ。ただし,端末の具体的な提供時期については明らかにしていない。

 XHTMLは,WWWコンソーシアム(W3C)がHTMLの後継として2000年1月に規格化した言語。携帯電話向けのコンテンツ記述言語/プロトコル「WAP」(wireless application protocol)でも,次期バージョンではXHTMLの採用が確実である。欧米では2000年からこのWAP対応のブラウザフォン・サービスが始まっているが,端末の種類やコンテンツが不足していることもあり,ほとんど普及していないのが実情。ノキアなど4社は,XHTML対応端末の提供を明確に打ち出すことでWAPの将来性をアピールし,コンテンツ・プロバイダの事業意欲を促進するのが狙いだ。

 一方,日本のブラウザフォン・サービスは,現在は携帯電話事業者ごとに別々の記述言語を採用しているが,今後はXHTMLに統一される方向にある。具体的には,auが2001年内をめどに次期WAP対応のブラウザフォン端末を発売する方針をすでに打ち出している。NTTドコモ,J-フォンも同仕様への対応を検討中。ブラウザフォン・サービスのコンテンツの記述言語が世界的に統一されれば,パソコンで利用するインターネットと同様に,国内外を問わずコンテンツを相互に利用できるようになる。

 現行のWAP対応端末は,HTMLと互換性のないHDML(handheld device markup language)やWML(wireless markup language)で記述したコンテンツを閲覧する。このため,HTMLで記述したコンテンツをそのまま流用できないなどの制約があり,WAP用コンテンツの拡充に足かせとなっていた。
(高槻 芳=日経コミュニケーション)