総務省の情報通信審議会は3月16日,NTT東西地域会社が認可申請中の「Lモード」について,サービス内容を変更することを条件に認可すると答申した。主な条件は,(1)Lモード・ゲートウエイを設置した県だけに提供エリアを限定すること,(2)県間通信機能を持つLモード・ゲートウエイを他事業者が運用すること--の2点。

 NTT地域会社は,(1)について,「全国で提供するのがLモードの基本コンセプト。各県にゲートウエイを置くとなるとコストがかかり,値上げせざるを得ない。受け入れがたい」(NTT東日本の幹部)と反発する。また(2)については,「他事業者の運用形態には様々な方法があり,詳細な条件を総務省から聞いてから対応を考える」(NTT東日本の幹部)と言う。

 開始時期については,「早くても5月。ただ再申請する必要があるのかどうかなど,まだ判断できていない部分が多いので正確なことは言えない」(NTT東日本の幹部)とした。

 LモードはNTTドコモが提供する「iモード」の固定電話版サービス。現行のNTT法では,NTT地域会社の業務範囲を県内通信に限定していることから,KDDIなどの競合事業者が猛反発していた。しかしNTT地域会社は,県間通信部分に他社の回線を利用するネットワーク形態を採用。そのため総務省も,「Lモード・サービスがNTT法に抵触するとはいえない」と判断せざるを得なかった。しかし一方で「(ゲートウエイ部分は)実質的に県間通信役務を提供していると解される余地がある」とし,あいまいな法解釈を示した。

(吉野 次郎=日経コミュニケーション)