2月末時点におけるxDSL(digital subscriber line service)サービスの加入数が3万4372加入となった。総務省の集計で明らかになったもので,1月末時点の1万6194万加入から1カ月間で2倍以上に増えた。xDSL技術の一つであるADSL(asymmetric DSL)サービスを提供する各社が,提供エリアを拡大したのが急増の主要因である。

 xDSLは電話線(銅線)を使った高速通信技術の総称。主にインターネット接続用に使われる。東京めたりっく通信やイー・アクセスなどのベンチャー企業が,NTT東西地域会社の電話線を使ったADSLサービスに参入している。またNTT東西地域会社自身もADSLサービスを提供中である。

 NTT地域会社と他社のシェアを比較すると,2月末時点の3万4372加入のうち,7948加入がNTT地域会社で,残りの2万6424がxDSLベンチャー各社の合計加入数である。シェアはNTT地域会社が23%,xDSLベンチャーが合わせて77%。1月末時点ではNTT地域会社が10%,xDSLベンチャーが90%であった。2月の1カ月で,NTT地域会社が一気に加入数を伸ばしたことになる。NTT地域会社は2000年12月にADSLサービスを本格的に開始したばかり。今後,さらにNTT地域会社がxDSLベンチャーを追い上げそうだ。

 急拡大するxDSL市場だが,東西の格差は大きい。2月末時点における合計加入数の地域別内訳は,東日本地域が2万7596加入,西日本地域が6776加入。西日本地域が少ない理由について総務省は,「西日本ではxDSLに競合するCATVインターネットが普及していることなどが考えられるが,定かではない」(総合通信基盤局電気通信技術システム課)という。またNTT西日本では,「まだ西日本地域は提供エリアが狭いので,少ないのではないか。現在,拡大中であり東日本との差もいずれ縮小するはず」(広報室)と見る。実際,西日本地域のユーザーが全体に占める割合は,1月末時点の17%から2月末時点には20%に増加している。