NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は3月8日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)技術を使ったインターネット接続サービスの申し込み受付けを4月1日に始めると発表した。個人向けサービスのほか,固定のグローバルIPアドレスを複数使える法人向けサービスも同時に提供。特に法人向けの場合,料金を競合他社の約半額に引き下げた。

 NTTPCのADSLサービスは,NTT東西地域会社のADSL用ネットワーク「フレッツ・ADSL」を介して提供する。ADSLモデムをレンタルにした場合,通信料は個人向けサービスの「InfoSphere Xpert ADSL」が6400円(フレッツ・ADSLの接続料込み)。

 一方,固定のグローバルIPアドレスを利用できる法人向けサービス「同Biz ADSL」の通信料は,利用可能なアドレスが1個の場合月額1万2400円から,アドレス8個の場合月額1万7400円から。ともにモデムはレンタルで,フレッツ・ADSLの接続料を含む。月額3万~5万円が多いほかのプロバイダの法人向けADSLサービスと比べて"格安"と言える。

 これまでの1.5Mビット/秒の法人向けインターネット接続サービスの料金は,固定IPアドレスが複数利用できる場合,月額30万円前後だった。NTTコミュニケーションズはADSLサービスの登場を受けて,2月に1.5Mビット/秒の「OCNスタンダード」を従来の月額35万円から月額23万円に値下げしたが,今回のNTTPCの料金はそれをはるかに下回る。

 ADSLサービスは,ほかのユーザーとインターネットのバックボーンまでの回線を共有するベストエフォートが前提であるうえ,電話線部分の回線品質にも不安が残る。それでも,通信料が格安のADSLサービスの登場は,今後中小企業を中心に人気を集めそうだ。
(野沢 哲生=日経コミュニケーション)