大東京火災海上保険は,通信機能内蔵型のPDA(携帯情報端末)を使った営業支援サービスを4月以降に導入する。同社は4月に千代田火災海上保険と合併し,「あいおい損害保険」として再スタートを切るため,最終的には新会社の代理店である約5万店に1台ずつPDAを行き渡らせる方針だ。

 同サービスでは,端末として米パームのPDAを採用。パームが提唱する「Web Clipping」と呼ぶ技術を導入し,パケット通信料の低減や通信時間の短縮を図る。ユーザーとなる代理店はNTTドコモのパケット通信サービス「DoPa」を使って新会社のイントラネットに接続し,サーバーにある各種情報を取得する。パームのPDAからワイヤレスで通信を可能にする業務用サービスとしては,国内初となる。ただし実際の端末配布は,NTTドコモが開発中の通信機能内蔵型PDA端末が完成した後になる。

 新システムでは,代理店の担当者が外出先から本社のデータベース・サーバーにアクセスして,保険料の試算を可能にするサービスを予定している。さらにインターネット・バンキングの機能を使って,代理店が顧客から集金した保険料を即日本社に振り込むサービスも検討中。新システムはNTT-MEと野村総合研究所,NTTドコモが共同開発した。