J-フォン・グループは6日,第3世代携帯電話サービス「IMT-2000」の開始時期を延期すると発表した。当初計画していた2001年12月から半年遅らせ,2002年6月までに首都圏エリアで,同年10月までに東海・関西エリアで開始する。ただし全国展開の時期については,従来の予定通り同年10月としている。

 サービス開始を延期するのは,世界標準規格であるIMT-2000の仕様に変更が生じたことで,これに準拠したネットワークや移動電話機の開発の遅れが見込まれるため。同グループはIMT-2000の通信方式に「W-CDMA」(wideband code division multiple access)を採用している。同方式の標準化機関である3GPP(third generation partnership project)は99年12月に最初の詳細規格を定めた後も随時,改定作業を継続中。このうち2000年12月のバージョンから基地局と電話機の間の呼制御信号などに変更が加えられた。J-フォン・グループはこれを受けて,仕様変更後の通信方式に準拠したネットワークを構築。首都圏でのフィールド実験を十分実施した上でサービスを開始する方針である。

 一方,NTTドコモ・グループは予定通り,2001年5月末にIMT-2000サービスを開始する。同グループのIMT-2000ネットワークは2000年3月時点のW-CDMA規格をベースにしたものだが,「2000年12月の改定部分はもちろん,今後の仕様変更にも随時対応できる体制にある」としている。

 さらにauグループも,2001年秋にはcdmaOne携帯電話を高速化した「1x」方式によるサービスを導入する予定。このためJ-フォンは2002年6月までは,他事業者の新サービスに現行のPDC方式携帯電話で対抗することになる。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)