理経は3月1日,米タット・システムズの構内VDSL(very high bit rate digital subscriber line)製品「IntelliPOP」を発売した。出荷は3月中旬から。既存の電話ケーブルを利用して最高15Mビット/秒のデータ伝送が可能。高速用の配線ケーブルを新たに布設するのが困難な,既存ビルでの高速インターネット・アクセスを実現する。

 IntelliPOPの主な販売対象は,オフィス中心のテナント・ビル。IntelliPOPと同様のシステムには,電話ケーブルを使って最高1Mビット/秒のデータ伝送を実現するHomeRunがあるが,それに比べて高価格だが高速という特徴がある。このため,1Mビット/秒程度で十分なマンションやホテルでの利用が中心になるHomeRunとは,市場のすみ分けが可能としている。

 IntelliPOPは,最大12本の構内VDSL回線をインターネットに接続するゲートウエイ装置「TU5212」と,電話ケーブルを介して対向するサービス・アクセス・ユニット「TU5101」で構成。TU5101はDHCP(dynamic host configuration protocol)サーバー機能を持つルーターとして機能し,QoS(quality of services)による帯域制御も可能。1対の電話ケーブルに電話回線とインターネット接続回線が共存できる。

 価格はオープンだが,最小構成の参考価格は約300万円から。

(阿蘇 和人=日経コミュニケーション)