東京めたりっく通信は3月1日,xDSL(digital subscriber line)技術を使った高速インターネット接続サービスのホール・セール(卸)事業を開始したと発表した。同時に,インターネット接続事業者(プロバイダ)のKCOM(旧KDDコミュニケーションズ)と,SDSL(symmetric DSL)回線のホール・セールに関する初の契約を結んだことも明らかにした。これを受けてKCOMは3月1日,法人向けのSDSLサービスを開始した。

 xDSLサービスのホール・セールとは,xDSL技術を使ったエンド・ユーザーからプロバイダまでの高速中継回線の利用権をプロバイダに提供するサービス。エンド・ユーザーはホール・セールを契約したプロバイダに,xDSLサービスを直接申し込む。東京めたりっく通信の名前は,エンド・ユーザーには直接見えない形になる。

 東京めたりっく通信のxDSLサービスを利用する場合,これまではADSLの接続サービスだけでなく,プロバイダも東京めたりっく通信のサービスしか選べなかった。東京めたりっく通信は,「現在複数のプロバイダとホール・セールの交渉中で,近いうちに個人向けのxDSLサービスでも契約先プロバイダを発表できる」としている。

 プロバイダの選択は,イー・アクセスやNTT地域会社などほかのxDSL回線事業者では既に可能。今後は東京めたりっく通信を利用した場合でも,プロバイダが選択できる道が開けそうだ。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)