ツーカーセルラー東京,ツーカーホン関西,ツーカーセルラー東海のツーカー・グループ3社はブラウザフォン・サービス「EZweb」を大幅に強化する。7月以降に順次,最大28.8kビット/秒のパケット通信サービスを開始。これによりデータのダウンロードにかかる時間などを短縮する。これに先立つ4月には,EZwebの料金体系を現行の時間課金からデータ量課金に移行させる。合わせて新メール・サービスを開始する。

 ツーカー・グループが7月から開始するパケット通信サービスは,EZwebのメール送受信時やコンテンツ閲覧時に利用できる。通信速度は,端末から基地局への上り方向で最大9.6kビット/秒,下り方向で最大28.8kビット/秒。携帯電話を使ったデータ通信サービスでは,例えばauグループが「PacketOne」という下り最大64kビット/秒のパケット通信サービスを提供中だが,これは携帯電話機とデータ通信アダプタ,パソコン/PDAを接続して利用する。携帯電話単体で利用できるブラウザフォン・サービスとしては,ツーカー・グループが最速になる。NTTドコモ・グループの「iモード」やJ-フォン・グループの「J-スカイ」,auグループのEZwebは最大9.6k~14.4kビット/秒にとどまっている。

 同グループはパケット通信サービス開始に合わせて対応電話機を発売する。ただし,このパケット通信サービスをEzwebに限定せず,携帯電話機とデータ通信アダプタ,ノート・パソコンなどを組み合わせた環境でも使えるようにするかについては検討中である。

 同グループはこれに先駆けて,Ezwebで4月上旬から送受信データ量に応じた情報量課金サービス「P@bit」(パビット)を開始する。現在のEZwebは回線の接続時間に応じた時間課金。これに対して情報量課金では,回線をつなぎ放しでも,やり取りするデータがなければ通信料がかからない。

 P@bitの適用を受けるには,同グループが4月に発売する対応電話機が必要になる。この端末の通信方式は現行の回線交換型データ通信のままだが,送受信データをパケットに換算する仕組みを導入して,情報量課金を可能にする。料金はメール送受信時,EZwebのコンテンツ閲覧時ともに128バイト当たり0.27円。

 またP@bitと同時に,EZwebのメール機能拡張サービス「EZweb@mail」も開始する。携帯電話機単体で最大5000文字までのメールを受信でき,受信メールは電話機側に蓄積できるようになる。また,ヤマハが提唱するマルチメディア・データのフォーマットであるSMAF形式の音声データや,PNG形式の画像データも添付ファイルとして送受信可能。同サービスの付加利用料は月額200円である。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)