インターネットのドメイン名やIPアドレスの割り当てを管理する日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は1月25日,5月から利用可能になる汎用JPドメイン名の登録管理業務を行う民間企業を設立したと発表した。企業の名称は「日本レジストリサービス」(JPRS)。1月中にもjprs.jpというドメイン名でWebサイトを設置する。

 JPRSの社長には,これまでJPNIC事務局長を務めてきた東田幸樹氏,副社長には佐野晋・元JPNIC運営委員長が就任した。資本金は1億8000万円で,そのうち約3分の2をJPNICが出資し,残りを役員とJPRSの持株会が保有する。東田社長は会見の席上,「JPNICが築いてきたJPドメイン名の信頼性を尊重し,その上でさらにユーザーに対する利便性を高めていきたい」と会社設立の抱負を語った。

 JPRSへの業務移管によって,ドメイン名の登録料金の水準は大幅に下がる見込みだ。現在,JPNICが登録している既存のJPドメイン名の場合,登録申請料が2万円。これが汎用JPドメイン名では,JPRSが指定する登録代行業者を通して登録した場合,登録申請料,登録維持手数料ともに「1ドメイン名につき3500円から5000円の範囲になる」(東田社長)と予測している。汎用JPドメイン名はこれまでのJPドメイン名に比べ登録条件を緩和しており,登録に関わる作業を簡素化できるためだ。JPRSでは,運用開始後1年間で登録件数を100万件まで伸ばすことを目標にしており,2002年以降は登録申請料と維持手数料を,ともに1500円程度にまで下げることも検討している。

 なおJPNICは2002年以降,汎用JPドメイン名以外の既存のJPドメイン名の登録管理業務もJPRSに移管する計画。JPNICの役割は,IPアドレスの割り当てと,インターネット・ユーザーに対する教育や情報発信が中心になる。JPNICがドメイン名の管理業務を民間企業に移管するのは,「現在のJPNICの組織体制では,インターネット・ユーザーのニーズにこたえられないため」(村井純・JPNIC理事長)。社団法人であるJPNICは,単年度会計を義務付けられているため,登録者数が増大傾向にあるドメイン名の登録業務をこなすために必要な設備投資や人員整備を十分にできないという事情があった。

(滝沢 泰盛=日経コミュニケーション)