インターネット接続事業者(プロバイダ)の朝日ネット(旧社名アトソン)は1月17日,NTT地域会社の光ファイバ・サービス向けにインターネット接続サービスを提供すると発表した。光ファイバ対応メニューを提供するのは,ぷららネットワークス,インタードットネット(旧社名リムネット)に続いて3社目だ。

 朝日ネットが対応するのは,NTT地域会社が12月26日に開始した「光・IP通信網サービス」(仮称)。家庭に光ファイバを引き込むFTTH(fiber to the home)の形態で提供するアクセス回線である。10Mビット/秒の帯域を複数ユーザーで共用するサービスで,(1)最大768ユーザーで共用する「集合住宅向けメニュー」,(2)最大256ユーザーで共用する「基本メニュー」,(3)最大32ユーザーで共用する「高スループットメニュー」---の3メニューがある。月額料金は,集合住宅向けが3800円,基本メニューが1万3000円,高スループットメニューが3万2000円。ただし利用するには,対応するプロバイダのインターネット接続事業者の利用料金が必要になる。

 朝日ネットは,同社のダイヤルアップ接続サービスのオプションとしてFTTHサービスに対応する。オプション料金は集合住宅向けで月額1200円,基本メニュー向けで月額5000円,高スループットメニュー向けで月額9000円。このほか,ダイヤルアップ接続サービスの基本料金が必要。最も安い月額450円のダイヤルアップ接続サービス「Mプラン」とFTTHオプションを組み合わせれば,月額料金は順に1650円,5450円,9450円。ユーザーがFTTHインターネットに支払う月額料金の合計額は,同5450円,1万8450円,4万1450円となる。ぷららとインタードットネットもほぼ同額で提供しており,この月額料金がFTTHインターネットの料金水準となりつつある。

 FTTH対応を始めるプロバイダが登場し始めたものの,プロバイダの多くはNTT地域会社のFTTH向けメニュー提供に慎重だ。理由は,FTTH回線のスループットや実際のトラフィック状況を見極めるのが難しいからといわれる。このためプロバイダ各社は,試験サービス期間中にスループットなどを確認してから対応する考えである。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)