1月10日,ユーザーが利用する電話会社を事前登録する電話会社選択サービス「マイライン」の受け付けが始まった。登録すれば,5月1日から「0077」(KDDI)や「0088」(日本テレコム)など,電話会社を識別するための番号のダイヤルが不要になる。ユーザーはマイラインセンターや,利用したい電話会社に書面で登録する。

 関東圏で「東京電話」を提供する東京通信ネットワーク(TTNet)のある幹部は,「マイラインの盛り上がりは現時点では今一つ。ただ,5月に向けて認知度は徐々に高まるはず。これからが正念場だ」と気を引き締める。その一方で,「営業費などのコストがかさむだけ。フタを開けてみれば結局,各社のシェアは以前と変わらないという結果になるのではないか」(KDDI)という冷めた見方もある。

 ただ,ユーザーにとっての最大のメリットである料金の低廉化は,目に見える形で進み始めている。登録開始に伴い,電話会社各社によるユーザーの囲い込み合戦が加速しているからだ。2000年暮れに通話料の値下げや,新割引サービスなどの登場が相次いだ。

 値下げ競争は,NTTが事実上独占してきた市内通話料にも波及した。KDDIや日本テレコムが5月1日から3分8.8円で市内参入する予定。すでに東京電話で市内3分9円を設定していたTTNetも,1月10日に3分8.7円まで引き下げこれに対抗した。また,長年3分10円を維持してきたNTT東西地域会社も,NTT東日本が1月10日に3分9円に引き下げ,5月1日にはNTT東日本とNTT西日本の両社が3分8.8円まで下げる。

(吉野 次郎=日経コミュニケーション)