ユーズコミュニケーションズが,第三者割当増資を実施して24社から合計70億円の出資を受けたことを明らかにした。ユーズコミュニケーションズは,有線放送大手の有線ブロードネットワークスの子会社である第一種電気通信事業者。光ファイバを新規に敷設してユーザー宅とユーズのセンターを光ファイバで直接つなぐFTTH(fiber to the home)の形態で,格安の高速インターネット接続サービスの提供を計画する。

 ユーズに出資したのは,IIJテクノロジー,伊藤忠商事,伊藤忠テクノサイエンス,伊藤忠ファイナンス,エイベックス,エフエム東京,大塚商会,オリックス,関電工,コンパックコンピュータ,住友電気工業,ソニー,大和証券グループ,電通,日商エレクトロニクス,日本SGI,日本コムシス,NEC,博報堂,日立製作所,フジクラ,古河電気工業,丸紅,三井物産--の24社。出資額の内訳は公表していないが,各社とも3億円前後ずつ出資した模様である。出資完了日は2000年12月23日。

 ユーズが計画しているのは,最大10Mビット/秒と同100Mビット/秒の高速インターネット接続サービス。既存のCATVインターネットや,ADSL(asymmetric digital subscriber line)インターネットと同等以下の月額5000円前後という低料金を予定する。4月1日から,東京都世田谷区,大田区,渋谷区,目黒区,杉並区で順次サービスを開始する。

 今回出資を受けた70億円の一部を使って,当初の提供エリアである東京都5区への光ファイバ敷設や通信機器の導入を進める。2003年には全国の主要都市にまで提供エリアを拡大する計画で,そのための資金は4000億円程度と見込んでいる。この資金を調達するため,今後も出資を募る計画である。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)