NTT東西地域会社は12月18日,一般家庭にまで光ファイバを引き込むFTTH(fiber to the home)サービスを提供すると発表した。インターネット接続事業者(プロバイダ)につなぐアクセス回線としての利用を想定する。12月26日に開始し,当初半年間は試験期間とする。試験中の提供エリアは東京と大阪の一部地域に限定する。ただし,2003年3月までに政令指定都市,2004年3月までに全県庁所在地にエリアを拡大する予定である。

 通信速度は最大10Mビット/秒。スループット別に,(1)集合住宅向けメニュー,(2)基本メニュー,(3)高スループット・メニュー──の3メニューを用意する。最も安いのが,マンション向けに提供する(1)の集合住宅向けメニュー。料金は月額3800円である。その代わりスループットは最も低く,10Mビット/秒の回線を最大768ユーザーで共用する。(2)の基本メニューは,10Mビット/秒を最大256ユーザーで共用し,月額1万3000円。ヘビー・ユーザーや個人宅に設置したオフィス,小規模事業所などの利用を想定する。(3)の高スループット・メニューは企業向けで,10Mビット/秒を最大32ユーザーで共用する。料金は月額3万2000円である。

 ユーザーはこのほか,プロバイダにインターネット接続料を支払う必要がある。現在,数十のプロバイダがNTT地域会社のFTTHサービスをアクセス回線として利用する意向を示しており,接続料水準は間もなく明らかになる。サービス開始の12月26日には複数社のなかから選択できることになりそうである。

 NTT地域会社はさらに,2001年春に最大100Mビット/秒のメニューを追加する予定。料金やスループットなどはまだ決まっていない。対応するプロバイダもこれから募る。

 また,NTT東西地域会社は2001年2月にもISDN通信料の定額サービス「フレッツ・ISDN」の料金を値下げする方針を固めた。東西の両社は,12月26日に最大1.5Mビット/秒のADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「フレッツ・ADSL」を月額4600円で提供する。このため,月額4500円で最大64kビット/秒しか出せないフレッツ・ISDNの割高感が強まる。NTT地域会社は月額4500円を3000円台まで引き下げ,割高感を是正する見込みである。

(吉野 次郎=日経コミュニケーション)