郵政省の諮問機関である電気通信審議会は12月15日,NTT地域会社が認可申請していたxDSL(digital subscriber line)サービス向けの接続料金について答申をまとめた。NTT地域会社が申請していた料金は月額410円であったが,月額187円が適正であるとした。これを受けNTT地域会社は,接続料金を月額187円に変更。さらに,NTT地域会社自身が12月26日に開始するADSL(asymmetric DSL)サービスの月額料金を200円ずつ引き下げる。

 NTT地域会社が認可申請していたのは,「MDF(主配線盤)接続」と呼ぶxDSLサービス向けの銅線を貸し出す際の料金。xDSL事業者はMDF接続の形態でNTT地域会社から銅線を借り受けて,xDSLサービスを提供している。NTT地域会社が申請していた月額410円の内訳は,追加するMDFの費用が30円,故障時の対応費用が41円,データベースによる回線管理費用が203円,料金請求などが136円--であった。

 これに対して電気通信審議会がそのまま認めたのはMDF費用の30円だけ。残る三つについては,(1)故障対応の費用は工事費で徴収するため必要ない,(2)データベース管理費用は電話サービスと同じ138円,(3)料金請求などの費用は19円が妥当--と指摘,合計187円とした。現在は,接続料に相当する銅線利用料をユーザーから月額800円徴収している。MDF接続料が187円と決まったことによって,ユーザーがADSLインターネットに支払う料金は月額600円程度安くなる見通しである。

 接続料金の値下げに伴いNTT地域会社は,12月26日に本サービスに移行する自社のADSLサービス料金も値下げする。ADSLには,NTT加入者交換局でインターネット接続事業者(プロバイダ)とつなぐ「ADSL接続サービス」と,IP中継網で中継して県1カ所でプロバイダと接続する「フレッツ・ADSL」の2種類がある。電話サービスとADSL信号を1本の銅線で多重する場合で,ADSL接続サービスは月額4000円,フレッツ・ADSLは月額4800円で提供する計画だったが,一律200円ずつ値下げしてADSL接続サービスは月額3800円,フレッツ・ADSLは月額4600円で提供する。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)



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