KDDIは12月14日,ブロードバンド・アクセス・サービスの展開計画を発表した。2001年3月をめどに,同社のインターネット接続サービス「DION」の家庭向けメニューに光ファイバによるFTTH(fiber to the home)アクセスを追加する。当初は足回りとして,NTT東西地域会社が2000年内に開始するFTTHサービスを使用。ただし将来は一部地域で光ファイバによるアクセス回線を整備して,一般家庭向けに自前のFTTHサービスを提供する計画だ。

 同時に,ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスも拡張する。現在KDDIのインターネット接続サービスでは,ごく一部の地域でしかADSLサービスを利用できない。そこで2001年の早い時期に,東京23区,大阪市とその近郊都市にサービス地域を拡大。2001年度中に全国主要都市に展開する。現在は下り512kビット/秒のメニューに,1.5Mビット/秒などの高速メニューを追加する。

 KDDIのインターネット接続サービス「DION」は,ADSLによる高速アクセス・サービスで他のインターネット接続事業者に後れを取っていた。また,旧DDIが4月に開始したADSL実験サービスの新規受付は既に事実上終了。旧KDDが開始したサービスは東京都の23区と大阪市のそれぞれ一部でしか利用できず,しかも旧DDIからのユーザーには利用できない状態にある。

(阿蘇 和人=日経コミュニケーション)