NTTドコモは11月30日,2001年5月末に開始予定の次世代携帯電話サービスのブランド名を「FOMA」(フォーマ,freedom of mobile multimedia access)とすることを発表した。合わせて通信速度などサービス内容の一部を公開した。

 FOMAの最大の特徴であるデータ通信サービスについては,開始当初から(1)最大64kビット/秒の回線交換型データ通信サービス,(2)端末から基地局への上り方向で最大64kビット/秒,下り方向で最大384kビット/秒のパケット通信サービス--を提供する。

 同社はこれらのデータ通信サービスを活用したアプリケーションとして,テレビ電話,映像配信サービス,音声通話とパケット通信を同時に利用できるサービスなどを用意する。携帯電話によるインターネット接続サービス「iモード」の次世代版サービスも提供する方針だ。

 また,サービス開始にあわせさまざまな形態の端末を提供する予定である。具体的には,(1)次世代iモードや高速パケット通信が利用できる小型端末,(2)ビデオカメラを備えテレビ電話や映像配信サービスに対応した端末,(3)PCカード型などのデータ通信専用端末--の3種類である。各端末は電話番号などの加入者情報を書き込んだICカード「FOMAカード」を内蔵する。これにより,ユーザーはカードを差し替えることで利用目的に応じて端末を使い分けられるようになる。

 同社は2001年5月末をめどに,このFOMAサービスを東京23区および横浜・川崎地区でスタートさせる。その後,2001年12月ころに大阪・名古屋地区に拡大し,2002年4月にはほかの地域ブロックにも展開する。

 なお,今回の発表でNTTドコモは,FOMAの具体的な音声通話料やデータ通信料は明らかにしていない。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)