住商データコムは早ければ2001年1月にも,共用のサーバー機を個別の専用サーバーのように運用できる管理ソフト「ServerXchange」を出荷する。住商データコムはハード/ソフト一体型のシステム製品として,データ・センターに販売する予定。ソフトの開発会社は米エンシム。

 ServerXchangeは,1台のサーバー機を仮想的に複数台のサーバー機として使えるようにするソフト。仮想的な専用サーバーの構築が可能になるため,企業ユーザーに実際の専用サーバーよりも安い料金でサービスを提供できる。仮想的なサーバー機は,個々にIPアドレスを持ち,CPU,メイン・メモリー,ディスクなどのサーバー資源を確保する。サーバーにつながるネットワークが1本でも,個別の仮想サーバーごとに必要とする帯域を確保できる。

 ホスティング型のデータ・センターは,顧客ごとに個別のサーバー機を提供する「専用サーバー・サービス」と,複数顧客でサーバー機を共有する「共有サーバー・サービス」を用意している。専用サーバーはWebサーバー・ソフトやAP(アプリケーション)サーバー・ソフトなどを自由に選択できるが,共有サーバーよりも割高なサービスになる。共有サーバーはWebサーバー・ソフトを選べない,APサーバー・ソフトを追加できない,使えるディスク領域に上限があるなど制約が大きかった。

 ServerXchangeは,仮想サーバーを構築する物理サーバー機を管理するシステムである。仮想サーバーとして利用できる環境は(1)LinuxをインストールしたDOS/V機,(2)SolarisをインストールしたSPARC--の二つである。最大90台の仮想サーバー機を実現可能で,物理サーバー機は最大100台まで増設できる。

(日川 佳三=日経コミュニケーション)