政府のIT(情報技術)戦略会議とIT戦略本部は11月27日,「IT基本戦略」を決定した。内容は,11月6日に公表した草案とほぼ同じ。5年以内に世界最先端のIT国家となることを目標に掲げている。

 具体的な目標は,(1)5年以内に少なくとも3000万世帯が高速で,1000万世帯が30M~100Mビット/秒程度の超高速でインターネットにアクセスできる環境を整備する,(2)1年以内に全国民が低料金でインターネットに常時接続できる環境を整備する,(3)IPv6を使うインターネットへの移行を推進する,(4)高速無線インターネット環境を実現し,高度道路交通システム(ITS)や地理情報システム(GIS)と連携できるサービスの普及を促進する,(5)海外とのインターネット接続を高速化する--である。

 こうした目標を実現するために,市場支配力がある電気通信事業者に他社より厳しい規制を課す「非対称規制」を導入すべきという考えを打ち出した。また,光ファイバの開放や通信事業者が光ファイバを敷設するための管路を開放するルール整備,無線周波数のオークション方式の導入などを視野に入れた割り当て制度見直しの必要性を明記した。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)