マクニカは12月にも企業向けに,CATVやADSL(asymmetric digital subscriber line)など伝送速度が数百キロビット/秒のブロードバンド回線に接続するルーター「WebRamp 1700s」を発売する。開発は米ランプ・ネットワークス。

 WebRamp 1700sは,ケーブル・モデムやADSLモデムとパソコンの間に接続して,複数のパソコンで回線共用を可能にする機能を持つ。特徴は,常時接続回線で注意が必要となるセキュリティ対策を強化していること。イスラエルのチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズが9月に発表したファイアウォール・ソフト「FireWall-1 SmallOffice」を搭載した。

 FireWall-1 SmallOfficeは企業の支店や営業所など,小規模拠点での利用を想定したファイアウォール。(1)利用可能なクライアント数が最大で50ユーザーまでに限られる,(2)今のところFireWall-1 SmallOffice単体では設定ができず,本社などで導入している「FireWall-1」から設定する必要がある――など,一部機能に制約があるほかは,FireWall-1と同等の機能を備える。

 WebRamp 1700sのインタフェースは,ケーブル・モデムなどと接続するWAN側が10BASE-Tを1ポート。LAN側は10BASE-Tと100BASE-TXを自動認識するポートを四つ搭載する。また,ルーター設定用のシリアル・ポートを1ポート搭載する。

 価格は未定だが,「5ユーザー版であれば20万円を下回る」(マクニカの吉井奉之ネットワーク事業部プロダクトマーケティング1部第2課OEMチームリーダー)。ブロードバンド向けルーターとしてだけでなく,SOHO向けのファイアウォール専用機とも競合する製品になりそうだ。

(島津 忠承=日経コミュニケーション)