郵政省は11月13日,NTT東西地域会社に対して,ISDNユーザーが電話番号を変更しなくてもxDSL(digital subscriber line)サービスを利用できるように交換機を改造するよう行政指導した。現在はISDNユーザーがxDSLサービスを利用する際,周波数が重なるためアナログ電話に契約を切り替える必要がある。このため一部のユーザーは,電話番号を変更しなければならなかった。

 電話番号の変更が必要になっているのは,最初からISDNを利用しているユーザー。アナログ電話を利用していて,その後ISDNに契約を切り替え,再度アナログ電話に戻す場合は番号を変えずに済む。しかし最初にISDNを契約し,その後アナログ電話に切り替える場合は番号変更が必要。このためxDSLベンチャー企業は,「xDSLサービスの普及を阻害している」(イー・アクセスの千本倖生社長)と不満の声を上げていた。

 こうした動きを受け郵政省は,電気通信事業法で「利用者が公平に電気通信番号を使用できるようにすること」(電気通信番号規則第4条)と定めていることを根拠に,行政指導に乗り出した。具体的には,(1)同一番号のままISDNからアナログ電話に契約を切り替えられるよう措置を講じること,(2)11月末までに実施計画を報告すること--を求めた。

 郵政省では,「潜在需要の大きい地域から優先して実施してもらいたい。NTT交換機などの改造には2年かかるようだが,それだと遅すぎる」(電気通信技術システム課)としている。

(吉野 次郎=日経コミュニケーション)