プロキシ・ソフトやSOHO(small office,home office)向け機器などを販売するブレーンは12月中旬,ADSL(asymmetric digital subscriber line)やCATVインターネットなどのブロードバンド・アクセス回線用のルーター「ZyWall 10」を出荷する。価格は4万9800円。開発は台湾のザイセル・コミュニケーションズ。

 ZyWall 10の特徴は,LAN側の安全性と利便性を高めるために高度なファイアウォール機能とIPアドレス/ポート変換機能を備えること。ファイアウォール機能では,単体のファイアウォール製品の主流であるステートフル・インスペクション方式を採用した。IPフィルタリングと同等の使い勝手でありながら,プロキシでなければ得られなかったIPヘッダー以外のデータ文字列まで走査し,データをフィルタリングできる。

 IPアドレス/ポート変換機能ではNAT(network address translation)を拡張し,インターネット側で割り当てられた一つのIPアドレスを複数の端末で利用できるほか,複数のIPアドレスを1対1でLAN側の端末に対応付けたり,複数のアドレスを複数の端末に割り当てるといった柔軟な設定も可能。ポート番号まで含めた変換機能も装備する。IPアドレスは最大で64個まで設定可能である。

 ADSLモデムなどと接続するためのWAN側ポートは,10Mビット/秒のイーサネット(10BASE-T)が1ポート。LAN側は,10M/100M自動認識のイーサネットが1ポート。ほかに,管理用のシリアル・ポートを1基備える。

(日川 佳三=日経コミュニケーション)