NECは10月25日,部屋のレイアウトに合わせて無線LANの電波環境を計算するソフトウエア「RADIOSCOPE」を開発したと発表した。室内での電波の分布などをあらかじめ知ることができるため,無線LAN導入前にアクセス・ポイントの最適な位置などを知ることができるようになる。

 無線LANを導入する際,親機となるアクセス・ポイントをどこに置けば最高の通信速度を得られるか知ることができれば便利だ。ところが,現在一般に販売されている無線LAN製品が使う2.4GHz帯の電波は,部屋のレイアウトのわずかな違い,アクセス・ポイントの場所,机の位置,壁の材質などで電波状態が複雑に変化する。このため,アクセス・ポイントの最適な設置場所は,実地に無線LAN機器を設置して試行錯誤を繰り返して調べるしかなかった。

 NEC開発の新ソフトは,机や家具などの位置,大きさを含めた部屋の詳細なレイアウトを入力し,アクセス・ポイントの位置を決めれば,その時の部屋中の電波環境を計算して,分かりやすく表示する機能を持つ。複数のアクセス・ポイントを使う場合や,Bluetoothなど他の無線技術を同時に使う場合のシュミレーションも可能だ。部屋は,大規模なオフィスから個人の家屋まで幅広く対応できる。計算時間は,3LDKの家屋で数十秒,床面積600平方メートルのオフィスで4分程度である。

 価格や販売形態はまだ未定。同社のワイヤレスTA製品「WARPSTAR」シリーズを購入したユーザーからモニターを選んで無料配布し,12月半ばから使い勝手をモニターに評価してもらう予定である。