配信する映画は1カ月ごとに更新する。11月26日までは，吉本興業の坂田利夫主演で97年に映画館上映された「平成名探偵 阪田京介」を提供する。映画の著作権料やサーバーの運営費用は，映画の冒頭と途中で配信するCMの広告料で賄う。スポンサは1カ月単位で募集し，最初の1カ月間は関西電力と毎日新聞社などがスポンサとなった。
ユーザーが映画を見るには，米リアル・ネットワークスの映像再生ソフトウエア「RealPlayer 7」以上のバージョンをパソコンにインストールする必要がある。関西マルチメディアのセンターに配信サーバーを設置してあり，同社が提供するCATVインターネット・サービス「ZAQ」のユーザーは高速なCATV網経由で高品質の映像を鑑賞できる。ZAQユーザー以外でも，200kビット/秒以上の回線でインターネットに接続してあるユーザーならだれでも無料で映画を見られる。ただし，インターネットの中継回線が混雑していれば映像が乱れる可能性がある。
関西マルチメディアサービスは，関西エリアの20局以上のCATV事業者と提携してインターネット接続サービスを提供する通信事業者。CATV事業者はCATV網の高速性を生かす映像などの大容量コンテンツ配信事業に注力しており，こうしたサービスが今後増えそうだ。
（中川 ヒロミ＝日経コミュニケーション）
