NTT東日本とNTT西日本は10月18日,ほかの通信事業者との相互接続する際の条件を変更するため,郵政省に接続約款の変更について認可申請したと発表した。今回の変更によって,NTT地域会社以外の通信事業者がxDSL(digital subscriber line)サービスを提供しやすくなる。

 主な変更点は,(1)通信事業者がxDSLサービスを提供する際に必要なMDF(主配線盤)接続を標準的な接続点とする,(2)NTT局に他事業者が設備を設置する「コロケーション」の際の条件などを変更する,(3)相互接続の際の工事をNTT地域会社以外の通信事業者が実施できるようになる──など。

 これまでMDF接続は試験提供だったため,東京都や大阪府などの十数局でしか利用できなかった。しかし今回の変更で,原則として全国どこのNTT局でも接続できる接続点となる。この結果,狭い地域に限定されていた各社のxDSLサービス・エリアも,全国各地に展開できる環境が整う。MDF接続の料金はNTT東西地域会社が検討中で,11月にも郵政省に申請し,年内には認可が下りる見通しである。

 コロケーションや工事に関する変更は,xDSL事業者の要望を受けたもの。xDSL事業者はこれまで,NTT地域会社が提示するコロケーション場所や料金などが不透明で,工事料金が高額であるため自社で工事したいと主張してきた。そこでNTT地域会社はコロケーションに関する情報を開示し,他事業者が自社で工事することも認めるようにする。

 xDSLサービスのユーザー数は,8月末時点で約2000回線。普及が遅れて,CATVインターネットやNTT地域会社の「フレッツ・ISDN」に大きく水をあけらている状況だ。しかし今後は,xDSL事業者が広いエリアでサービスを提供できるようになる。xDSLサービスの普及がようやく進みそうだ。