日本の社会インフラをITの側面から支えてきたNTTデータ。だが、その足元には今、官公庁の発注方式見直しや金融業界の再編劇といった時代の大波が押し寄せている。売上高8541億円、従業員数1万8720人を誇る国内情報サービス産業の“巨人”、NTTデータの実像に追った。

(矢口 竜太郎、河井 保博、志度 昌宏)

縮む公共、育たぬ若手
図解・あなたが知らないNTTデータ
1兆円に向けた成長戦略
浜口友一社長インタビュー
――絶対額の議論だけでは前進しない


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図1●あなたが知らないNTTデータ1
図2●あなたが知らないNTTデータ2
 2005年3月期の連結売上高8541億円、従業員数1万8720人――。1988年の設立以来、17期連続で増収を続けるNTTデータ・グループは、日本の情報サービス産業のトップランナーだ。07年3月期に、売上高1兆円の達成を目指す。

 だが、その行く末は決して平坦ではない。これまでの成長を支えてきたビジネス環境が大きく変化したことで、NTTデータはいくつもの課題を抱え込んでいる。中央省庁など同社の最優良顧客が、随意契約に代表される発注方式を大幅に見直していることは、同社経営の根幹を揺るがしかねない大問題だ。CAFISやANSERといった看板商品を持つ金融分野も、業界再編の波に洗われている。

 その穴埋めに猛進するのが一般企業顧客の拡大。だが、これまで官公庁や金融機関のインフラ・システム中心できた同社には、一朝一夕に市場拡大できるほどの営業ノウハウがない。

 NTTデータの生い立ちは、国(中央省庁)が旧電電公社に任せたシステムの開発・運用部門。彼らは今、「コストセンター」と評されてきた一般企業の情報システム部門や情報システム子会社と同じ苦しみを味わっている。

 しかし、強い企業を支えるのが強い情報システム部門であるのと同じく、日本の競争力を高めるには、“日本国情報システム部門”であるNTTデータの役割は大きい。

 そんな中、同社は企業の買収などにより、基礎体力強化や売り上げ拡大を急いでいる。この7月には、コンサルティング会社大手の仏キャップジェミニと提携し、海外サポート拠点の拡大にも乗り出した。NTTデータの実像と、彼らが描く将来像を追った。


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