KDDIは8月22日に、1拠点当たりの月額料金が1万円前半のIP-VPN(IPネットワーク上に構築する実質的な専用線網)サービス「ブロードバンド Value パック」の提供を開始する。NTT東日本/西日本が提供する「フレッツ・ADSL」と「Bフレッツ」をアクセス回線として利用するサービスで、従来からの同内容のメニューと比べ、月額利用料金を約半分にした。KDDIはブロードバンド・ルーターを設定した上で、ユーザー企業に貸し出す。

 フレッツ・ADSLを利用し、最も料金の安いブロードバンド・ルーターのレンタル・メニューを選択する場合、月額料金は7329円。ブロードバンド Value パックの料金に、NTT東日本/西日本に支払うフレッツ・ADSLの料金とモデムのレンタル料金を足しても、1万円台前半で収まる計算である。これまで提供していた同内容のメニューは、フレッツ・ADSLやモデムのレンタル料込みで月額約2万5000円だった。

 従来KDDIが提供していたIP-VPNサービスは、地域IP網とIP-VPNサービス用ネットワークを、KDDIのインターネット・バックボーンを使って接続していた。通信の安全はIPSecを使って確保する方式だった。

 ブロードバンド Value パックではそれを変更。インターネット・バックボーン網を論理的に分け専用IP網を構成し、それを地域IP網とIP-VPN用ネットワークの中継に使う。物理的にはバックボーンを間借りする格好で構成する専用IP網だが、論理的には別のネットワークであるため、漏洩などの危険性は低い。

福田 崇男=日経コンピュータ