ADSL大手のアッカ・ネットワークスは8月9日、2005年上期(1月~6月)の決算と、2007年までの中期計画を発表した。売上高は前年同期比8.9%増の203億8800万円で、経常利益は同50.0%減の11億6200万円。湯崎英彦副社長は、「半期ベースの利益は販売促進費の増減により変動する。全体としては計画通り」と説明する。2005年通期の経常利益予想は、25億8500万円で変えていない。ただし、NTTの回線使用料の引き下げ、販売促進のための値引きなどの影響で通年の売上高は減少すると見て、7.3%下方修正し、410億円に変更した。

 坂田好男社長は中期計画の発表の冒頭で「“ADSLのアッカ”は終ります」と宣言。今後は個人向けADSLだけでなく、企業向けの回線サービスと、通信に付帯するシステム構築サービス「M2M」(Machine to Machine)サービスを成長させていく方針を明らかにした。同社は7月以降、M2Mサービスとして、ネットワーク・カメラを使った監視サービスやICタグを利用したシステム構築サービスなどを発表している。2007年の売り上げ目標は535億円。うち個人向けは332億円(2005年は342億年)と横ばいで推移するが、企業向けとM2Mを急拡大させ、それぞれ125億円(同62億円)、75億円(同1億円)にする計画だ。

 なお、5月に発表したUSEN子会社のユーズコミュニケーションズ(UCOM)との提携による光ファイバを使った接続サービス(FTTH)については、「遠くない時期に提供する」としただけで、具体的な計画については明言しなかった。昨年発表した下り最大50Mビット/秒超、上り最大10Mビット/秒のADSLサービスも、すでに技術検証は済んでおり、年内には提供する。

小野口 哲=日経コンピュータ