学習塾「シドウ会」を経営する修学社は8月8日、何者かがネット・バンキングで同社の口座から2億5500万円を無関係の口座に振り込み、現金で引き出したと発表した。同社はすでに警察に被害届を提出しており、その捜査によって事件であることが判明した。

 同社が被害に気が付いたのは8月4日午後4時ごろ。8月1日午後10時半に振り込み予約手続きが行われ、翌2日に振り込みが実行された。同2日中に全額が現金で引き出されたという。

 利用していたのはみずほ銀行のネット・バンキング。パソコンは社内に設置した1台に限定しており、操作する社員も二人に限っていた。同社は「社員二人は振り込み予約が実施された時刻には、すでに社内にはいなかったので、内部犯行の可能性は低い」としており、スパイウエアなどを利用した犯行の可能性もある。なお、みずほ銀行では7月19日から「電子証明書方式」による認証も実施しているが、同社ではまだ利用していなかった模様。

広岡 延隆=日経コンピュータ