「日本は、当初のイギリスやほかのヨーロッパよりITILの急速な普及が期待できる」とITIL準拠のシステム管理ツール「Sostenuto ITSM」を販売する英サンライズ・ソフトウエアのダレン・バグノール ビジネス開発ディレクタは語る。

 ITILは、1980年代から英国商務省がシステム運用について集めたベストプラクティスを体系化したもの。国内でも最近になって、ITILの導入が本格化してきた。

 サンライズ・ソフトウエアは1994年にイギリスで設立したソフトウエア会社。ヘルプデスク関連製品からスタートし、2004年にはSostenuto ITSMの販売を開始した。同ソフトは、インシデント管理や問題管理、構成管理、サービスレベル管理などを提供するシステム管理ソフトで、ITILに準拠している。現在、英バーミンガム市、ニューヨーク銀行など32の企業・自治体が導入している。

 8月1日には、国内でもSostenuto ITSMの販売を開始する。国内総代理店はエージーテックで、シーイーシーが販売を担当する。バグノール氏は日本市場について、「日本はサンライズ社にとって初めての国際展開。日本のユーザーのITILに対する期待の高さを感じる。日本市場には非常に期待している」と意気込みを語る。

 欧米のITILの普及状況については、「欧州で関心は急速に高まっている。ITILについてのカンファレンスへの参加者も毎年記録を塗り替えている。特に、イギリスをはじめとした北西ヨーロッパで関心が高い。イギリスにおいては、政府や金融機関に限らず、一般の企業が実際にITILを採用するようになった。導入の動きに“はずみ”がついた状況だ。一方、米国においても、企業改革法(サーベンス・オックスリー法=SOX法)が導入されたということもあり、ITILに準拠しなければいけないという意識が高まっている」と分析する。

小野口 哲=日経コンピュータ