NECは7月25日、ITアウトソーシング事業の拡大を目指し、二つの新施策を発表した。アウソーシングの導入に伴うコンサルティングの強化と、アウトソーシング実施後の継続的な改善を促す「マネージドサービス」の整備がそれ。新施策により、2004年度で1000億円強だったアウトソーシング事業の売上高を、2008年度には1500億円まで拡大する考え。
コンサルティングの強化策としては、アウトソーシングの実施前に顧客が抱える課題の発見から改善策の提案までを行う同社のサービス「運用クリニック」に、今回新たに情報化投資の全体最適化を図る「TCO診断」や、ITの運用プロセスをアセスメントする「ITIL診断」といったメニューを追加した。
一方のマネージドサービスでは、「顧客の経営層との間でステアリングコミッティを実施したり、サービスレベルの向上やコスト削減に向けてITマネジメント層あるいはシステム担当者と継続的に改善活動を行うといった取り組みを、改めて整備した」(マネージドサービス事業推進本部の山口真人本部長)。
NECがこれらの強化策を打ち出す背景には、日本IBMをはじめ、フルアウトソーシングで先行したベンダーのユーザー企業のなかで、「アウトソーシングを実施して数年が経過したら、コストの内訳が分からなくなった、サービスレベルが想定していたほど向上しないといった不満を持つところが増えているから」(マーケティング推進本部の藤岡忠昭本部長)。NECはこうした状況を巻き返しのチャンスと捉え、「顧客企業と強いパートナ関係を築き、顧客と共にアウトソーシングの効果を継続的に高めていきたい」(藤岡本部長)と意気込む。
ただ、NECが今回発表したような類のサービスは、アウトソーシングで先行する日本IBMはすでに実施しているものがほとんどで、目新しさは特段ない。NECは「ベンダー他社にフルアウトソーシングしているユーザー企業から、まずはネットワークやオープン系サーバーのリプレースを目指す」(山口本部長)と話すが、部分的な受注では、メイン・ベンダーに比べて、顧客と強固なパートナ関係を築くのは難しい。解決できる顧客の課題も限定的。今回の発表内容だけでは、NECが目論見どおり、2008年度に1500億円の売り上げを達成できるかどうかは不透明と言わざるを得ない。