サイボウスは8月にソフトウエアの研究開発を手がける子会社「サイボウズ・ラボ」を設立する。代表取締役社長には創業メンバーの1人で現在、最高技術責任者を務める畑慎也氏が就任する。サイボウズ・ラボでは既存のグループウエアにとらわれず、中長期的な視点でソフトウエアを開発する。「日本国内を見まわすと、パッケージ・ソフトは海外製ばかり。見ていると歯がゆいものがある。この状況を打開して日本から世界に向けてソフト技術を発信したい」(畑氏)と意気込む。

 研究テーマは、情報共有ソフトウエアがメインとなる。「WikiやBlogのほかにも、RSSやATOMフィードといったセマンティックWebの技術が注目されている。これらを情報共有系のグループウエアに活用したい」(畑氏)という。開発するソフトウエアは一定条件をつけてソース・コードを公開する予定。「MySQLやMovable Typeなどのように個人利用なら無償、商用利用では有償とするモデルや、Red Hat Linuxのようにコードは無償で、パッケージやアップデート・サービスを有償にするモデルなどを考えている」(同氏)という。

 スタートアップ・メンバーは畑氏を含めて3~4人ぐらいになる予定。2~3年後には20人前後、5年後には50人まで増員するもくろみだ。その際、勤務形態や報酬の体系を「技術者がやりがいを感じるようなユニークなものにしたい」(畑氏)という。「例えば、半分は自分が設定した好きなテーマ、残り半分はラボが設定したテーマという形でやってもらう」(同氏)といった制度を検討している。

安藤 正芳=日経コンピュータ