「テクノラティでは、ブログに書き込んだ記事の内容が、書き込んでから平均で7分後には検索できるようになる。今、ネットで何が起きているのかを知ることができるサービスだ」。こう語るのは、米テクノラティのデビット・シフリー創業者兼CEO(最高経営責任者)である。

 検索サイトとしては米グーグルや米ヤフー、米マイクロソフトのMSNが有名だが、シフリー氏はこれらのサイトとテクノラティの違いをこう説明する。「これらのWebサイトは、大量のWebサイトの情報を集め、それをインデックス化して、ページにランクをつけてから、検索できるようになる。ネットにその情報が登場してから、検索できるようになるまで平均で1カ月の時間が必要ではないか。これに対して、テクノラティは7分前の情報が分かる。しかも検索結果を、書き込んだ時間順に示せる。あるキーワードについて、時間が経過する中でどう捉え方が変わっていったのか、一番最初にそのキーワードを取り上げたブログが何だったのかも、テクノラティなら分かる」。

 テクノラティは、現時点ではすべてのWebサイトではなく主にブログを検索対象とするが、そのかわりリアルタイムに近い情報を得ることができる。ブログの更新情報をきっかけにして検索対象に加えることで、リアルタイムに近い検索を可能にした。従来の検索サイトは、Webを静的なページ、あるいは巨大な百科事典ととらえてそこから検索したいキーワードに沿った内容を知らせる。これに対して、テクノラティはブログのコンテンツとして現れた「ネットコミ」とでもいうべき情報を、検索したいキーワードに沿って収集することが可能だ。こうした特徴があるため、「テクノラティは企業のビジネス・インテリジェンスに生かすこともできる」(シフリー氏)という。

 実例を挙げる。同社は、今年2月にテクノラティジャパンを設立し、7月1日から正式なサービスを開始している。テクノラティジャパンでの「日経コンピュータ」の検索結果は、ここにある通りである。2005年7月21日の23時の時点では、日本の主要なブログのなかで日経コンピュータに関連して延べ261個のコンテンツが公開されている。

(中村 建助=日経コンピュータ)