日立製作所は2005年10月から、ユニークなレガシー・マイグレーション・サービス「システム再生コンサルティング」を開始する。特徴はレガシー・システムを分析し、必要な部分を取捨選択して、オープン系に移行すること。「企業固有の強みを実現している独自処理部分だけを選択移行するので、コア・コンピタンスを継承しやすい」(玉樹正人ビジネスソリューション事業部長)という。

 新サービスの流れは以下の通り。まず、既存アプリケーションのプログラム構造を解析し、データ・フロー図を作成する。このデータ・フロー図を参照しながら、その企業特有な業務をユーザー企業と一緒に特定する。最後に特定した部分のプログラムを抽出し、マイグレーション工程に渡す。一連の作業には、同社のプログラム解析ツール「DORE」を使う。

 システム再生コンサルティングでは、企業固有の強みを含まないアプリケーションは、市販のパッケージ・ソフトや日立のソリューション部品群「Solution-HIPACE」を使って新規に構築することを前提とする。マイグレーションした部分と新規に構築した部分は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の考え方に基づいて連携させる。その際は、すでに7月6日から提供を開始している、「サービス指向システム構築コンサルティング」の手法を生かす。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ