TISは7月4日、ソフト販売契約のトラブルを巡り、CRMソフト会社のイーシステムに反論した(発表資料:PDF)。イーシステムは、「CRM関連ソフトの販売契約をTISに一方的に解除されたため、2005年6月中間期に赤字転落した」と主張している。これに対しTISは、「(イーシステムとの)取引の存在を認めない」、「事実を明らかにすべく、法的手続きに入った」としている。

 イーシステムによると、TISはある大手顧客企業のシステム構築プロジェクトにおいて、イーシステム製CRMソフトの採用を計画。昨年末にイーシステムとの間で、CRMソフトのライセンス販売の契約を交わした。しかし、今年4月になってTISは「(TIS側の)担当者の内規違反があったため」、一方的に契約破棄を申し入れてきたという。

 イーシステムは2005年6月中間期決算で、TISの取引破棄による4億3000万円の特別損失を計上した(発表資料:PDF)。これにより、同社は通期でも赤字になる見通し。7月1日の中間決算発表で、イーシステムはTISに賠償請求する意向を表明していた。

 今回のTISの発表は、イーシステムが主張する事実関係を否定し、法廷闘争も視野に争う姿勢を示したものである。

本間 純=日経コンピュータ