NTTドコモと日本オラクルは、ビジネス用途を想定したFOMA端末「M1000」向けのアプリ開発で協力する。オラクルはM1000向けに軽量なデータベース管理ソフトを発売するほか、パートナー企業と共に、営業支援や運行管理などのアプリケーション開発を進める。

 NTTドコモが7月1日に発売するM1000は、いわゆる「スマートフォン」と呼ばれるタイプの高機能な携帯電話。米モトローラ製で、タッチパネル付き2.9インチ液晶パネルや無線LANを搭載している。M1000は約19Mバイトのメモリーを持ち、従来の携帯電話よりも大量のデータを扱える。そこで日本オラクルは、この端末で動作する「Oracle Database Lite 10g for Symbian」を新開発した。日本オラクルのアドバンストソリューション本部の林徹本部長によると、M1000は「10万件から約1秒で目的のデータを検索できる性能がある」という。

 日本オラクルは、企業内データベースと同期する顧客リストや商品の在庫データなどをM1000で持ち歩くといった用途を想定している。そこで、端末の紛失でデータが漏洩しないように対策を施した。具体的にはデータベースに格納するデータを暗号化したほか、端末を紛失した場合はNTTドコモのコールセンターを通じてデータを消去したり、操作できないようロックできるようにした。

 日本オラクルは、Oracle Database Lite 10g for Symbianを7月から富士通などのパートナー企業に提供する。今年秋には一般にも発売する予定だ。さらに、同社の「Oracle Applications 10g」などのソフトをOracle Database Lite 10g for Symbianと組み合わせ、アプリケーション開発を進める。富士通のほか、営業支援ソフトを手掛けるソフトブレーンや、Symbian OS向け開発環境を手掛けるテニック、システム・インテグレーターのウィルドゥといったパートナー企業がアプリケーション開発を進める見込み。

 M1000はオープン価格で、市場推定価格は5万円前後。ドコモは、今後1年間で個人利用のビジネスマンと法人ユーザー向けに、10万~20万台の販売を予定している。

本間 純=日経コンピュータ