「携帯電話の性能は、ハンディ・ターミナルやPDA(携帯情報端末)と比べても遜色がなくなっている。今後は業務用端末としての利用が一層進むだろう」。NTTソフトウェアでモバイル&セキュリティ・ソリューション事業グループ部門長を務める小牧徳夫氏は、こう話す。

 小牧部門長によれば、携帯電話を業務用端末として使う場合、「従来は営業支援のハンディ・ターミナルの代わりととして位置づける例が大半を占めた」。それが最近では、「保守メンテナンスや配送管理の端末としてケースが増えている」(同)という。

 NTTソフトは、水道やガスの検針を報告する端末として携帯電話を利用できるようにするシステム「ケータイフィールダー」を開発、現在検証を進めている。このシステムでは、携帯電話から検針データを入力すると、その場でモバイル・プリンタを使って請求書を発行できる。将来的には、客先や外出先で見積もりや在庫確認、伝票発行などもできるようにしていく計画。モバイル・プリンタとの通信手段は、現在は赤外線通信だけだが、Bluetoothを使った通信も可能にしていく考えだ。

 同社は今後、携帯電話を業務用端末として利用するに当たり、必ずしもキャリアを特定せずに、必要に応じて使い分けていくという。「キャリアによって、提供できるサービスに得意、不得意がある。例えば、GPS(全地球測位システム)を使いたい場合、現状ではauを選ぶことになる。必ずしもNTTドコモにこだわらずに、システムに適したキャリアを選んでいきたい」(小牧部門長)。

安藤 正芳=日経コンピュータ