「OpenSolarisをオープン化したのは、Linuxの圧力があったからだと言われているが、それは間違っている。Javaに代表されるようにサンは、昔からオープンソースを推進してきた」。米サン・マイクロシステムズOpenSolarisマーケティング担当のClaire Giordanoマネージャは、こう話す。

 同社は6月14日に、Solaris10のオープンソース版「OpenSolaris」のWebサイトを開設した。Giordanoマネージャによれば、「1週間で100万件以上のヒットを記録した。メーリング・リストへも、すでにサン外部から約5700名の技術者が登録した」という。こうしたコミュニティから広く意見を求め、成果を新たな商用Solarisに投入する。

 OpenSolarisでは、Solarisの特徴的な機能である予測自動回復機能やDTraceと呼ばれるトレーシング機能もオープンソース化している。OpenSolarisのライセンス条件は、オープンソースでよく使われているGPLなどではなく、Community Development and Distribution License(CDDL)。CDDLの特徴は、自分のソースコードと組み合わせて市販製品の開発もできることである。ユーザーは、OpenSolarisのカーネルや予測自動回復機能などに自分で開発したソースコードを組み合わせて、商品化できる。

 もちろんサンは、「今後も従来通り、またはそれ以上の予算でSolarisの開発は続ける」(エンジニアリング担当Stephen Harpsterディレクタ)。Solaris10の開発者は、そのままエンタープライズSolarisの開発を続けているという。

 サンの日本法人は現在、ドキュメントの日本語化を進めている。「今のところ社員がボランティアでやっているので、いつまでにとは明言できないが、随時Webにアップしていく」(プロダクトマーケティング本部の纐纈昌嗣本部長)という。

安藤 正芳=日経コンピュータ